派遣法3年ルールについてわかりやすく解説!
一般的な派遣社員は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(通称:派遣法) によって労働者派遣の派遣可能期間は上限3年と定められており、
これを『派遣法の3年ルール』と呼んでいます。 同じところで3年しか働けないのです。。。
今回はなんで3年なの?という疑問と、派遣なら全ての方に該当するのか?など、派遣法の3年ルールについて解説いたします。
なぜ3年ルールができたのか
ずばり、同一事業所・部署で3年間働いた派遣社員に対する待遇改善を促すために設けられたというのが理由となります。
「具体的な目的」
・派遣先企業に対し、同一事業所・部署で3年間働いた派遣社員を、正社員として雇用する努力を促す
・派遣社員が無期雇用を希望する場合、派遣元企業に対し、該当スタッフの無期雇用への転換を促す
原則として同じ組織で派遣社員として働き続けることはできず「派遣先企業に直接雇用される」や
「別の課で働く」など何らかのキャリアチェンジを行うことが必要となります。
カンタンな解釈としては
⇒派遣社員にもキャリアアップの機会を設けよう!という事になります。
3年ルールの期間の定め方
期間を測る上で大事なキーワードがございます。
それは【抵触日】です。
抵触日とは、派遣社員が勤務を始めてから3年が経過した翌日のことを指します。
仮に2020年9月1日に勤務開始した場合、勤務可能なのは2023年8月31日まで。
抵触日は2023年9月1日となります。
この抵触日になっても雇用が続いている場合は、労働者派遣法違反となり、罰則が与えられてしまいます。
抵触日の測り方
抵触日の測り方には2種類ございます。
事業所単位
「同一の派遣先に対して、労働者を派遣できる期間は3年を限度とする」もの。
「事業所」とは、雇用保険の適用事業所と同等のものです。
事業所単位の抵触日を過ぎた場合、派遣社員個人の抵触日まで猶予があったとしても、
その事業所で派遣社員を受け入れ続けることはできません。
ただし派遣先企業が、派遣会社から派遣社員の受け入れを継続的に行いたい場合は労働組合の意見聴取を行うことで期間を延長することは可能です。
あくまで事業所単位ですので、この図の場合は「大阪工場」では働けませんが、
同社の「兵庫工場」であれば働くことはできます。
「事業所」の範囲は「雇用保険の単位」とされております。
雇用保険は会社で一括加入されていると思いきや、実は事業所ごとに分割されています。
これを基準に同一の事業所かそうでないか判断しています。
個人単位
「派遣社員が同一の組織で働くことができる期間は3年が限度まで」というルールの元「派遣期間が切れた翌日」となります。
派遣会社は契約締結時に、派遣社員に対して抵触日を通知する義務があります。
冒頭の派遣の3年ルールの図解と同様の認識でOKです。
効力の強さ
先にも書いた通り、個人単位の抵触日よりも「事業所単位の抵触日」が優先されます。
個人の抵触日よりも前に事業所の抵触日が来るケースもございますので、
その場合は就業日から3年未満ということもありえます。
適用されないケース
・60歳を超えている方
・派遣元に無期雇用されている方
この2つは3年ルールの例外となります。
抵触日の延長について
抵触日の事業所単位の説明通り、
『派遣先企業が、派遣会社から派遣社員の受け入れを継続的に行いたい場合は労働組合の意見聴取を行うことで期間を延長することは可能』となります。
事業所抵触日の1ヶ月前までに、意見徴収を行い、過半数以上の同意が得られれば、
同じ事業所でも3年を超えて派遣が利用可能になります。
この延長に関しては回数制限がございません!事実上何度でも可能です。
従業員過半数の同意が取れずに、派遣利用を中止するというケースは少なく、
3年以上継続しているのがほとんど。というのが実態となります。
3ヶ月のクーリング期間がある
派遣終了した日から3ヶ月経てば、同じ事業所でも再び派遣できるようになります。
個人単位でも事業所単位でも可能となり、この3ヶ月間をクーリング期間と呼びます。
まとめ