
CADに関する資格は何がある?各資格の特徴を徹底解説
CADを使用した業務は資格のない未経験者でもできますが、資格があればスキルアップやキャリアアップにつながります。
自分で勉強してCADの資格を取得すれば、転職時のアピールにもなるでしょう。
そこでこの記事では、CADに興味のある未経験者や資格を持っていないCADオペレーター向けに、CADに関する資格について解説します。
どの資格を取ったらいいのか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
CADの資格の種類
CADに関する資格は、国内外の企業などが主催・実施する民間資格を中心に多数存在します。
ここでは、主なCADの資格として以下8種類を紹介します。
・CAD利用技術者試験
・建築CAD検定試験
・オートデスク認定資格プログラム
・Vectorworks検定
・CAD実務キャリア認定制度
・3次元設計能力検定試験
・CADデザインマスター
・機械・プラント製図技能士
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、技能や職種に応じてレベルアップできるよう構成された、CADエンジニア育成のための検定試験です。
一般社団法人コンピュータ教育振興協会が実施する民間資格であり、2次元CAD(1級・2級・基礎)と3次元CAD(1級・準1級・2級)にわかれています。
1級・準1級は試験日が年2回と決まっているのに対し、2級・基礎はいつでも受験できます。
3次元CAD2級や2次元CAD基礎の合格率はおおむね70%を超えているため、CADを学んで何かしらの資格を取りたい人に向いているでしょう。
建築CAD検定試験
建築CAD検定試験は、建築用の図面をCADで描く技量を測る民間資格です。全国建築CAD連盟が1993年より実施しており、日本初の建築CAD資格でもあります。
准1級・2級・准2級・3級・4級(高校による団体受験のみ)の5等級にわかれています。
3級なら合格率は70%以上あるので、初心者でも比較的取得しやすいでしょう。
ちなみに建築CAD検定には1級がなく、准1級が最高位になっています。
全国建築CAD連盟では「設計組織におけるCAD管理者の役割が担える人」が1級として相当とみなしていますが、試験方法や採点方法が整っていないため実施予定はないとのことです。
オートデスク認定資格プログラム
オートデスク認定資格プログラムは、AutoCADなどのオートデスク製品の操作・活用スキルを試験によって認証する全世界共通の認定資格制度です。
オートデスク認定資格を取得すれば、AutoCADを使う海外の職場でも通用します。
日本では2013年から認定資格試験が始まり、学生や初級者向けの「オートデスク認定ユーザー」試験が受けられます。
職場でAutoCADを使う人は、取得することでキャリアアップにつながるでしょう。
Vectorworks検定
Vectorworks検定は、Vectorworksが持つ2次元・3次元CAD、環境設定、プレゼンテーションの基本機能を取得していることを確認する検定です。
米国Vectorworks社の試験「Certification」の日本語版として実施しており、無料で受験できます。
日本ではベーシック検定しか受験できませんが、将来的にはプロフェッショナル検定など、より高度な内容の検定も実施される予定です。
職場でVectorworksを使う人は、取得することでキャリアアップにつながるでしょう。
CAD実務キャリア認定制度
CAD実務キャリア認定制度は、一般社団法人コステックエデュケーションが主催する民間資格です。
990点満点のスコア制で2次元CAD操作の技術、図面の理解力を評価するTCADsのほか、合否判定を出す以下3種類の試験を実施しています。
3次元CADトレーサー認定試験
・3次元CADアドミニストレーター認定試験
・CADアドミニストレーター認定試験
合格率は公式サイトでは非公開となっていますが、25〜50%程度といわれており少し難易度が高めです。
3次元設計能力検定試験
3次元設計能力検定試験は、3次元設計能力検定協会が実施する3次元CADのオペレーション能力、機械設計の基礎的能力を客観的で公平に評価する検定試験です。
3次元CADコース、図面作成コース、プロ設計者コースの3種類があり、各コースの全科目の得点が60%以上であれば合格証が発行されます。
合否を問わずスコア証明書が発行されるため、キャリアアップだけでなく自分の実力を客観的なスコアで測りたい人にも向いています。
CADデザインマスター
CADデザインマスターは、日本デザインプランナー協会が実施する民間資格です。
Auto CAD、2次元汎用CADのJw_cadの一般的な作図能力が問われる試験で、70%以上の評価を獲得すれば合格になります。
職場でAuto CAD、2次元汎用CADのJw_cadを使う人は、資格を取得することでキャリアアップにつながるでしょう。
機械・プラント製図技能士
機械・プラント製図技能士は、機械製図およびプラント製図を対象とした国家資格です。
機械製図手書き作業と機械製図CAD作業の2種類があり、CADに関する資格に該当するのは機械製図CAD作業です。
1級・2級・3級にわかれており、3級だけは実務経験なしで受けられます。
機械装置や化学工場をはじめとしたプラントをCADで製図する人に限りますが、CADに関する国家資格を取得したい場合におすすめです。
CADの資格を取得するメリット
CADの資格は業務独占資格ではないため、資格がなくても業務はできます。
それでも、CADの資格を取得することでスキルアップやキャリアアップにつながるメリットがあります。
ここでは、CADの資格を取得する3つのメリットを紹介します。
転職する際にアピールになる
CADの資格があれば転職時のアピールにつながり、転職活動に有利に働く傾向があります。
CADオペレーターを募集する企業の求人情報を見ると、未経験者歓迎としつつも業務経験者を優遇するものが目立ちます。
業務経験がない人でも、独学で知識や操作方法を身につけて何らかの資格を取得すれば、単なる未経験者と比べて採用される可能性が高いでしょう。
スキルアップにつながる
CADの資格はCADでの製図に関する知識や操作方法が学べるため、資格を取得することでスキルアップにつながります。
CADに関する知識が深まり、これまでは担当できなかった業務もこなせるようになるでしょう。
CADオペレーターなどCADを使った仕事でキャリアを積みたいなら、資格取得は目標がわかりやすくメリットの大きい自己投資といえます。
スキルの証明になり出世につながる
普段の業務で使っているCADソフトに関する資格を取得すれば、スキルの証明になるでしょう。
能力だけでなく仕事に対する熱意も上長にアピールでき、普段の業務での評価が高ければ出世につながる可能性もあります。
資格取得には受験費用や教材購入費などがかかりますが、出世により昇進・昇給すれば払った費用を上回るリターンが得られるでしょう。
資格を取得する際の注意点
一方で、CADの資格を取得する際は以下3つの注意点があります。
・資格取得費用
・資格のスケジュール
・自分が使用しているCADとの相性
扱うソフトによって資格が異なるため、できる限り今の業務や就職したい企業の業務に合う資格を選びましょう。
資格取得費用
CADに限りませんが、資格取得費用がかかります。
ここで紹介した資格のなかではVectorworks検定のみ無料ですが、他は1〜2万円程度の受験費用がかかります。
その他教材購入費や各種ソフトの購入費用などを合わせれば、2〜3万円程度の費用負担は避けられないでしょう。
資格のスケジュール
いつでも受けられる一部の資格を除き、受験できる機会は年に数回程度に限られます。
各資格のスケジュールを確認し、計画を立てて勉強しましょう。
合格率の低い1級や準1級などの資格試験を受ける場合は、十分な勉強時間が確保できないのであれば次の機会に持ち越すことも大切です。
自分が使用しているCADとの相性
一口にCADといっても、職場によって使っているCADソフトが異なります。
できる限り業務で使用しているCADに対応した資格を選びましょう。同じくらいの費用や時間をかけるのであれば、職場で評価されやすい資格を取得したほうがいいです。

まとめ
ここまで記事を読んでくださりありがとうございます。
この記事を通じて、CADに関する資格について理解が深まりましたら何よりです。
何らかの資格を身につけてステップアップしたい人はぜひ参考にして、新しいキャリアに挑戦してみてください。
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