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派遣と請負の違いとは?メリットやデメリット、どちらが良いのかについても紹介

 

人手不足が深刻な現在、人材や業務をアウトソーシングする手段として派遣や請負を活用する企業が増えています。

派遣と請負は、契約形態や誰から指揮・命令を受けるのかが異なりますが、労働者にとっては違いがわかりづらいものです。

そこでこの記事では、派遣と請負の違いを解説します。双方のメリット・デメリットやどちらが良いのかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

派遣と請負の違い

 

派遣と請負の違いは、端的にいえば以下の通りです。

・派遣:労働者派遣契約に基づく人材のアウトソーシング
・請負:請負契約に基づく業務のアウトソーシング

ただし請負には客先企業に常駐して業務を行う場合があり、外形的には派遣のような働き方をする場合もあります。双方の違いについて詳しく解説します。

派遣とは

派遣は労働者派遣契約を結んだ企業(派遣先企業)に対し、派遣会社が社員(派遣社員)を派遣します。

派遣社員は派遣先企業の指揮・命令を受けて働き、派遣会社から給与を受け取ります。

請負とは

一方で請負は、企業から業務そのものを請け負う契約です。

業務を請け負う会社(請負会社)は自ら社員へ指揮・命令を行い、業務を遂行して契約した企業へ納品します。

業務内容によっては契約した企業に常駐して働くことがあり、これを客先常駐といいます。

客先常駐そのものは違法ではありませんが、客先の指揮・命令を受けて働くことはできません。請負会社側で責任者を配置し、請負会社の指揮・命令で業務を行う必要があります。

請負会社から指揮・命令を受けずに働いている場合、実態は派遣であるとして偽装請負と判断され、企業が罰則を受けます。

偽装請負では労働者としての権利が守られない可能性があるため、客先常駐で働く際は指揮・命令の所在を確認しましょう。

派遣と請負の違いがよくわからない人は、弊社が制作したショート動画もあわせてご覧ください。

派遣と請負の違いって何?|YouTube

派遣を選ぶ労働者のメリット

 

派遣には、企業だけでなく労働者にも以下3つのメリットがあります。

・仕事探しを派遣会社に任せられる
・ライフスタイルに合った仕事を選べる
・トラブルが起きた時に派遣会社に仲介に入ってもらえる

仕事探しを派遣会社に任せられる

派遣で働く労働者は、自分で仕事を探す必要がありません。派遣会社に登録すれば、勤務先は派遣会社が探してくれます。

すぐ働きたい人や就職活動でつまずいている人は、正社員よりも派遣のほうが合っているでしょう。

ライフスタイルに合った仕事を選べる

派遣なら、自分のライフスタイルに合った仕事が選びやすいです。派遣会社は多数の求人を抱えているので、その中から希望条件に合う勤務先を選べます。

正社員の総合職のように、希望と異なる職種に配属されることはありません。

トラブルが起きた時に派遣会社に仲介に入ってもらえる

派遣の場合、勤務先企業と契約を結んでいるのは労働者ではなく派遣会社です。そのため、何らかのトラブルが起きた際は派遣会社が間に入ってくれます。

勤務先に直接言いづらいことでも、派遣会社なら相談しやすいでしょう。

派遣を選ぶ労働者のデメリット

 

一方で、派遣には以下3つのデメリットもあります。

・案件ごとに派遣期間の定めがある
・重要な業務を任せてもらいにくいためスキルアップが難しい
・正社員になりたくても制限がある場合がある

案件ごとに派遣期間の定めがある

派遣は、案件ごとに派遣期間の定めがあります。派遣には通称「3年ルール」があり、原則として同一の職場で3年以上働くことができません。

無期雇用派遣などの例外を除いて、派遣期間が終了すると別の職場に派遣されます。

短期間で頻繁に職場が変わることもあるため、働き方が不安定だと感じる人もいるでしょう。

重要な業務を任せてもらいにくいためスキルアップが難しい

派遣では派遣先企業による人材の選定が原則禁止されているため、どんな人が来るのかわからないまま社外の人材を受け入れることになります。

見ず知らずの人にいきなり重要な業務を任せる可能性は、極めて低いでしょう。

派遣先企業で信頼され、正社員として登用される人もなかにはいますが、決して多くはありません。

派遣社員の経験からスキルアップをするのは困難です。

正社員になりたくても制限がある場合がある

仮に派遣先企業から正社員にならないかと誘われた場合でも、簡単になれるわけではありません。

派遣社員の引き抜きは禁止されているわけではありませんが、契約内容によって何らかの制限を受ける場合が多いです。

派遣先企業としても派遣会社との関係を悪化させたくないため、無理やり引き抜くことはできないでしょう。

このような制約があると、最終的には自社で正社員を採用したほうがいいと考える可能性もあります。

請負を選ぶ労働者のメリット

 

請負には、企業だけでなく労働者にも以下3つのメリットがあります。

・契約期間に制限がないため同じ職場で長期間働ける
・請負元の会社のペースで働ける
・契約業務以外を断れる

契約期間に制限がないため同じ職場で長期間働ける

請負は派遣と異なり、契約期間に制限がありません。客先から業務ごとに納期が定められるものの、信頼を勝ち取れば他の業務も任されることが多いです。

派遣と比べて同じ職場で長期間働ける可能性が高いでしょう。

請負元の会社のペースで働ける

請負は、客先常駐であったとしても請負元の指揮・命令を受けて働きます。業務の進捗が悪かったとしても、客先から直接命令されることはありません。

客先の顔色を過度に気にすることなく、業務を行うことができます。

契約業務以外を断れる

請負は、契約内容に請け負う業務が記載されており、契約にない業務は断ることができます。

そもそも、客先から指揮・命令を受けることは偽装請負に該当するため違法です。

法令遵守意識に著しく欠ける企業から請け負わない限り、契約にない業務を行うよう命令されることはありません。

請負を選ぶ労働者のデメリット

 

一方で、請負には以下3つのデメリットもあります。

・契約上の成果物を満たせないと報酬が支払われない
・単発で案件が終了し無収入のタイミングが発生する可能性がある
・タスク管理をしないと複数案件を並行で対応し業務過多になる可能性がある

契約上の成果物を満たせないと報酬が支払われない

請負は、契約内容に基づいた成果物を客先に納品できない限り、原則として請負会社に報酬が支払われません。

雇用契約を結んでいる労働者には直接影響は出ませんが、請負会社の経営が傾き、ボーナスカットなどの不利益を被る可能性はあります。

単発で案件が終了し無収入のタイミングが発生する可能性がある

請負は、客先から契約があるかどうかで仕事の有無が左右されます。

労働者を雇用できるような請負会社は多数の企業と契約を結んでいるため、一つの案件がなくなったとしても直ちに仕事がなくなるわけではありません。

ただし、案件の終了が続くと会社の売上や利益が減少し、労働者にも影響が出る可能性はあります。

タスク管理をしないと複数案件を並行で対応し業務過多になる可能性がある

請負は業務を客先から請け負う契約であるため、場合によっては複数案件を同時並行で対応しなければいけないことがあります。

請負会社も自社の人員と請け負える業務量を考えて契約を結んでいますが、客先からの信頼を勝ち取るために無理な契約を結ばざるを得ないタイミングはあるでしょう

業務過多によるしわ寄せは、請負会社の労働者が背負うことになります。

派遣と請負それぞれの向いている人

 

派遣と請負は契約形態や働き方が異なるため、向いている人も異なります。

派遣が向いている人

派遣が向いている人は、以下の通りです。

・あまり責任を負いたくない人
・働きがいより条件を重視したい人

派遣先企業は人材を選べないため、派遣で働く場合はスキルアップにつながらない仕事ばかり任される可能性があります。

正社員登用を目指すとしても、実際に登用された人は決して多くはありません。

スキルアップを求めず、勤務地や勤務時間など自分の条件に合う仕事を求める人が向いているでしょう。

請負が向いている人

請負が向いている人は、以下の通りです。

・業務量が急に増えても対応できる人
・当事者意識が持てる人

請負で働く場合、客先から今後も仕事が取れるかどうかは、今取り掛かっている業務の成果物に左右されます。

請負会社の社員なら契約の有無によって給与が変動するわけではありませんが、客先から信頼を得られるかは自らの業務にかかっているという当事者意識は持つべきでしょう。

パンダ

まとめ

ここまで記事を読んでくださりありがとうございます。

この記事を通じて、派遣と請負の仕事内容について理解が深まりましたら何よりです。

仕事を探している人はぜひ参考にして、新しいキャリアに挑戦してみてください。

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