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労働環境の具体的な意味は?改善するための対策も紹介

慢性的な人手不足により新規採用者の給料を上げる会社が増えていますが、社員が定着しない原因は給料だけではありません。

職場が清潔ではない、ハラスメントがあるなど、労働環境に問題がある可能性が考えられます。

そこでこの記事では、労働環境の具体的な意味や改善策について解説します。人手不足に悩んでいる経営者や採用担当者は、ぜひ参考にしてください。

労働環境とは

労働環境とは、会社で働く社員を取り巻く環境のことです。

労働時間や賃金といった条件面だけでなく、上司や同僚との人間関係や職場の安全性など、労働にかかわるもの全てが該当します。

労働安全衛生法では職場環境と記載されており、労働環境と区別して使われることもありますが、意味としてはほぼ同義です。

社員の安全や健康を確保して、快適な労働環境を形成することは会社の義務であり、社員の定着を図るためにも労働環境の改善は必要です。

労働環境を構成する基準

労働環境を構成する基準として、労働安全衛生法では以下3つを定めています。

・気候的条件
・物理的条件
・化学的条件

気候的条件

気候的条件とは、温度や湿度など気候によって左右されるものです。

たとえば、夏の熱中症対策として職場にエアコンを設置する、屋外で作業が必要なら空調服を支給するなどの取り組みが求められます。

労働安全衛生法では、第二十二条で高温、低温による健康障害を防止するための措置が義務付けられています。

物理的条件

物理的条件には、通路・床面・階段、機械が出す音・振動、高所をはじめとした危険な場所での作業などさまざまなものが該当します。

会社側は物理的条件によって発生する可能性のある危険や健康被害に対して、防止措置を講じる義務があります。

具体的には、通路にものを高く積み上げない、高所では作業床や安全帯を使うなどが挙げられるでしょう。

労働安全衛生法では第二十条などで義務付けられています。

化学的条件

化学的条件とは、建築・製造で必要な製剤・薬剤・塗料などです。

危険性の高いものは労働安全衛生法第五十五条などにより、使用が禁止または許可が必要と定められています。

このほか、爆発・発火・引火の可能性があるものについては第五十七条により、容器などに入れて法律で定められた事項を記載することが義務付けられています。

労働環境で発生している現代の課題

日本は労働安全衛生法などにより安全に対する意識は高いものの、人間関係などを含めた労働環境には課題があります。

現代の日本が抱える課題として、主に以下の5つが挙げられます。

・低賃金で働いている
・長時間労働による過労死の発生
・さまざまなハラスメント
・人材不足による業務の属人化
・正規雇用と非正規雇用の賃金格差

賃上げを実感できない

日本の平均賃金は1995年頃からほとんど増えておらず、直近は賃上げが進んだものの物価上昇を考慮した実質賃金はマイナスの状態が続いています。

見た目の給料が増えたとしても労働者は豊かさを実感できず、低い賃金で働いていると感じる人もいるでしょう。

新卒社員の給料が上がり、既存社員の給料より高くなっている会社がある点も、より労働者の不満を増大させる一因になっています。

参照:賃金構造基本統計調査|厚生労働省

長時間労働による過労死の発生

長時間労働による過労死は、働き方改革が進められている今でも発生しています。

パート等を含んだ年間の労働時間は減少傾向にありますが、正社員の労働時間はほぼ横ばいで推移しており、日本の長時間労働は改善されたとは言い難い状況です。

最近では会社が社員の労働時間をチェックし、極端に長い人は産業医面談を実施するなどの対策が取られています。

しかし本来であれば社員の労働時間を減らせるように人員や業務内容を見直すべきであり、根本的に改善できている会社は決して多くはありません。

参照:労働基準関係法制研究会 第1回資料|厚生労働省

さまざまなハラスメント

以前と比べて目立たなくなった印象はありますが、実態調査をみるとハラスメントは今でも存在します。

また、ハラスメントが増加したと回答した会社は2023年度の調査でも10%を超えています。

国や会社はハラスメント対策を進めていますが、まだまだ道半ばといえるでしょう。

参照:職場のハラスメントに関する実態調査について|厚生労働省

人材不足による業務の属人化

日本では生産年齢人口の減少に伴う人材不足が常態化しており、採用に苦戦する会社や業界を中心に業務の属人化が進んでいます。

属人化は業務の効率化や職場の新陳代謝を妨げるなど、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

日本は労働者の権利があまりにも強すぎて、会社が採用に慎重になってしまうのも原因の一つでしょう。

求職者が募集人員を大幅に上回る会社を除いて、この問題が解消される可能性は低いです。

参照:労働経済動向調査|厚生労働省

正規雇用と非正規雇用の賃金格差

正規雇用(正社員)と非正規雇用(パート・アルバイトなど)の賃金格差は、全く解消されていません。

直近の統計調査では、平均年収で300万円以上の差があります。

国は同一労働同一賃金の実現を目指して法整備を進めていますが、職場に浸透するまでには時間がかかるでしょう。

参照:民間給与実態統計調査|国税庁

労働環境で発生している現代の課題

国も現状の労働環境を問題と捉えてさまざまな対策を講じていますが、実際に改善できるかは各会社の自助努力が欠かせません。

ここでは、具体的な改善方法を5つ紹介します。

フレックス制や週休3日制といった柔軟な働き方を採用する

フレックスタイム制や選択的週休3日制など、柔軟な働き方を採用してみましょう。

決まった時間に週5日働くことを強制するのではなく、社員にある程度選択してもらうことで満足度の向上につながります。

職種によっては難しいかもしれませんが、テレワークの導入も効果的です。

従業員アンケートで現状を把握する

改善点を把握するためにも、社員から仕事の満足度を聞く匿名アンケートを実施してみましょう。

現状がわからないまま社員が望んでいない施策を導入するよりも、アンケート結果に従って導入したほうが効果があります。

匿名にすれば、社員が気を遣って本音を言わない可能性は低いでしょう。

有給休暇を取りやすい雰囲気づくりを心掛ける

できる限り、有給を取りやすい雰囲気づくりを心掛けましょう。

有給には時季変更権がありますが、たとえ正当な理由があったとしても、変更させると社員が有給を取りづらくなります。

今では大手企業を中心に、有給はある程度申告通り取れるのが当たり前になっているので、もし有給を取りづらい雰囲気が職場にあるなら改善させましょう。

職場内でコミュニケーションを取りやすいようにする

飲みニケーションなど職場外のコミュニケーションを設けるのではなく、職場内でコミュニケーションを取りやすいようにしましょう。

事務系ならできる限りオフィスに壁を作らない、製造系なら開放的な食堂を設けるといった、見た目から変えるのが効果的です。

ランチミーティングを設けるなど、会議のなかでもコミュニケーションを意識するといいでしょう。

相談窓口を利用しやすくする

法律によりハラスメントなどの相談窓口は設置が義務付けられていますが、形骸化している可能性があります。

社員に窓口の存在と不利益な扱いをしないことを改めて通知し、利用しやすくしましょう。

事前の相談があれば職場で改善すべき問題が明らかになるだけでなく、その後の対策によっては社員の離職を防げる可能性もあります。

パンダ

まとめ

ここまで記事を読んでくださりありがとうございます。

この記事を通じて、労働環境や改善するための対策について理解が深まりましたら何よりです。

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