在職中と退職後どちらが転職活動として良い？それぞれのメリットとデメリットとは

 

はじめて転職活動をする人にとって、在職中・退職後のどちらが良いのかは悩むところでしょう。

キャリアの空白期間や収入面での不安などを考えると、できる限り在職中に転職活動を始めたほうが良いです。

ただし、個々の事情によっては退職後に転職活動をしたほうが良い場合もあります。

この記事では、転職活動について在職中と退職後のどちらが良いのか、それぞれのメリット・デメリットや向いている人を解説します。

在職中に転職活動をするメリット

在職中の転職活動には、以下3つのメリットがあります。

・収入面で不安がない
・キャリアに空白がなく転職できる
・転職に失敗した際に現職に残れる

収入面で不安がない

在職中の転職活動は引き続き今の職場から給料がもらえるので、収入面での不安がありません。転職活動が長引いた場合でも、焦らず転職先を選べます。

在職中であれば、貯金が少ない人でも金銭面での不安なく転職活動ができるでしょう。

キャリアに空白がなく転職できる

転職活動は、キャリアの空白が長くなればなるほど不利になります。

退職後に転職活動を始めて、1年間転職先が決まらないまま活動した場合、面接時に空白期間何をしていたのか必ず質問されます。

ここで単に「転職活動をしていました」とだけ答えてしまうと、転職活動でうまくいっていない人というレッテルを貼られてしまい、採用に不利になる可能性があります。

在職中ならキャリアの空白が発生しないため、転職活動が長引いても不利になるリスクは低いです。

転職に失敗した際に現職に残れる

在職中の転職活動には、現職に残るという選択肢があります。

転職活動に失敗して全く内定が出なかった場合でも、そのまま今の職場で働き続けられます。

転職活動が職場にバレていなければ、居づらくなることもないでしょう。

在職中に転職活動をするデメリット

一方で、在職中の転職活動には以下4つのデメリットがあります。

・仕事をしながら転職活動をするため体力気力面で難がある
・面接日程が限定される
・退職日と入社日の調整がつきにくい
・現在の職場で嫌な思いをする可能性がある

ただしいずれも工夫次第で軽減できるものであるため、在職中の転職活動はそこまで大きなデメリットはないといえます。

仕事をしながら転職活動をするため体力気力面で難がある

在職中の転職活動は、今の仕事を続けながら業務外で転職へ向けた準備をすることになります。

転職活動には、履歴書の作成や面接対策、日程調整などさまざまな準備が必要です。

今の仕事や職場への不満・ストレスがあるなかで転職活動をするのは、退職後に始めるのと比べて体力・気力が要求されるといえるでしょう。

転職活動をしんどいと感じる人は、当初の予定より長めに活動期間を設けて少しずつこなすなど、自分に合うスケジュールに調整しましょう。

在職中なら収入面の不安はないため、ある程度時間がかかっても焦らず転職活動ができます。

面接日程が限定される

在職中の転職活動は、面接日程が勤務時間後や休日に限定されます。数日くらいなら有給を利用した転職活動もできますが、短期間で頻繁に取得するのは現実的ではありません。

面接日程の調整はエージェントにお願いするなど、誰かの助けを借りたほうが良いでしょう。

転職活動は基本的に早いもの勝ちであるため、早めに面接日程を設けて採否を出してもらうほうが成功しやすいです。

退職日と入社日の調整がつきにくい

在職中に転職活動を行う場合、今の職場に退職を伝える前に面接があるため、退職日が決まっていません。

転職の面接では必ず「いつ入社できますか？」という質問がありますが、これにはっきり答えられない点はデメリットになります。

ただし、転職が半ば当たり前になった今では、転職先も在職中であることを理解して退職日が決まるまで待つなど、柔軟に対応する可能性は高いです。

「有給を消化して引き継ぎを行い、来月中旬〜下旬頃には入社できる予定です」など、ある程度時期がわかる回答ができれば、転職先も納得するでしょう。

現在の職場で嫌な思いをする可能性がある

転職活動中であることが職場に知られると、嫌がらせを受ける可能性があります。

職場では転職前と同じように振る舞い、転職活動のことは職場の人に絶対に話さないようにしましょう。誰かに話してしまうと、最悪の場合は1日で職場全体に広まります。

急に雑用を押し付けられて面接時間に遅れるなど転職活動に支障をきたす可能性もあるため、どんなに信頼できる人でも秘密にしておきましょう。

退職後に転職活動をするメリット

退職後の転職活動には、以下3つのメリットがあります。

・仕事がないため転職活動にだけ集中できる
・面接日程を自由に決められる
・入社日を柔軟に決められる

仕事がないため転職活動にだけ集中できる

退職後なら今の職場での業務や引き継ぎが終わっているため、転職活動だけに集中できます。

急に仕事が忙しくなって転職活動が進まないなどのリスクがなく、短期間で面接まで進められるでしょう。

面接日程を自由に決められる

退職後の転職活動は、平日の昼間でも面接できるのが大きなメリットです。

在職中に転職活動をする人は夜間や休日の少ない時間で面接に行くしかないので、結果が出るまでの期間は退職後に転職活動をしている人のほうが短くなります。

転職先は募集人員に達したら求人を締め切ってしまうため、早く結果が出る退職後の転職活動のほうが、有利になる可能性はあるでしょう。

入社日を柔軟に決められる

退職後の転職活動は、転職先の指示に従い最短の日程で入社できます。

面接でもすぐに入社できる旨を伝えられるので、すぐに人材が欲しい会社にとっては在職中の人よりも魅力に感じるでしょう。

退職後に転職活動をするデメリット

一方で、退職後の転職活動には以下3つのデメリットがあります。

・収入が無くなり失業保険に頼る必要がある
・キャリアに空白期間ができる
・元職場に戻りたくなっても再就職は難しい

退職後の転職活動は、長引くほど金銭的に厳しくなり、焦って決めてしまって後悔する可能性もあります。肉体的・精神的にどうしても今の職場がつらい人を除いて、在職中に転職活動をしたほうが良いでしょう。

収入が無くなり失業保険に頼る必要がある

退職後の転職活動は、副業をしている場合を除いて失業保険以外の収入がありません。

失業保険は年齢や勤続年数、退職事由によって給付日数が異なり、30歳未満が自己都合で退職する場合は5年以上在職していない限り90日です。

給付金額の上限は1日7,000円〜9,000円程度と決して多くはないため、短期間の転職活動でも金銭面での不安を感じる人はいるでしょう。

キャリアに空白期間ができる

退職後の転職活動は、キャリアに空白期間が生じます。

3か月〜6か月程度であれば大きな問題はありませんが、6か月を超えると何かしら前向きな理由がないと、転職先も採用に慎重になってしまいます。

「場合によってはプラスに働くこともある」といった情報もありますが、突発的に退職して金銭面で厳しい状況に追い込まれた求職者をプラスに評価する会社はないでしょう。

スキルアップなど何かしら前向きに聞こえる回答をしても、なぜ在職中にやらなかったのかという疑問は残ります。

元職場に戻りたくなっても再就職は難しい

最近では人手不足によりカムバック制度を設ける会社が増えていますが、転職活動の失敗を理由に復職したいと伝えても再就職は難しいでしょう。

そもそもなぜ辞めたのかという話になりますし、転職活動に失敗したという理由で復職を希望する人を、積極的に採用する会社は少ないでしょう。

転職したほうが良いのか迷っているなら、在職中に転職活動をすべきでしょう。

在職中・退職後の転職活動が向いている人の特徴

転職活動は、在職中・退職後のどちらが向いているかという考え方ではなく、基本的には在職中の転職活動を検討したほうが良いでしょう。

キャリアの空白期間や元の職場に戻れないことは、取り返しがつかないデメリットになる可能性があります。

ここではそれぞれの特徴を紹介しますが、心身に支障をきたす状況でない限り退職後の転職活動は避けるべきです。

在職中の転職活動が向いている人の特徴

在職中の転職活動が向いている人は、今の職場に大きな不満やストレスはないものの転職したい人です。

思ったより昇進できない、上司を見て将来同じような立場に置かれたくないなどと考えるのであれば、転職活動を通じて他の会社はどうなのかを探ってみましょう。

転職先と前の職場を比べて、やっぱり前の職場のほうが良かったと考える人もいます。

後悔しないためにも、今の職場に残る選択肢がある在職中の転職活動のほうが良いでしょう。

退職後の転職活動が向いている人の特徴

退職後の転職活動が向いている人は、在職したままでは体を壊してしまう人に限られます。

精神的・肉体的なストレスによってどうしてもつらい場合は、我慢せず今の職場に退職を伝えて最終出勤日を確定させ、転職活動に集中しましょう。

うつ病などで休職になってしまうと、回復に時間がかかるだけでなくその後の転職活動にも影響が出ます。

退職の意向を伝えてから実際に退職するまでには1か月程度かかるため、すぐに転職活動をスタートすればキャリアの空白期間も短縮できるでしょう。